蒙昧にゲーマー

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SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE発売を前に、ソウルシリーズを振り返る

2019年3月22日、いよいよ不朽の名作アクションRPGとなるであろう『SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE』がフロムソフトウェアより発売される。

これを前にして、フロムソフトウェアよりリリースされたあの名作ARPGシリーズ、ソウルシリーズを思い出したのは私だけではないはずだ。

そこで、これを機に“ソウルシリーズ”というものを振り返ってみようと思う。

が、「ソウルシリーズ、どれから始めるのがいい?」「ソウルシリーズ、初心者向けランキング!」といったような記事は巷に溢れかえっているので、ここはあえて、超主観的に、パッション強めの内容でお送りしていこう。

 

※シリーズの軽度なネタバレを含みます

 

 

ソウルシリーズとは

ソウルシリーズとは、『Demon’s Souls』、『DARK SOULS』、『DARK SOULS 2』、(『Bloodborne』)、『DARK SOULS 3』からなるフロムソフトウェアの製作したARPGシリーズである。

共通するのは、ダークな世界観、プレイヤー自身が主人公として補完していく独特のストーリー、そして何より高難易度でありながら難しすぎず、再挑戦を繰り返しながらクリアしていくゲームバランスであり、所謂“死にゲー”として日本だけでなく海外メディアからも高い評価を得ている。

このソウルシリーズ、高難易度ということもあり、それぞれの作品になかなかクセがあり、万人受けするとは言い難いが、そこもまたファンを虜にする一因でもあるのだ。

それでは一つずつ振り返ってみよう。

 

 

デモンズソウル

2009年にPS3で発売された、ソウルシリーズの記念すべき第一作目である。

 

シリーズの他のタイトルがシームレスのマップを採用しているのに対し、このタイトルはステージ制である。

しかし侮ることなかれ、マップのクオリティは非常に高く、立体的につながるマップはプレイヤーを圧倒する。

ショートカットを開いた時の、「あ、こことここがつながっていたんだ!」という感覚が冒険心をくすぐり、何度も訪れるマップに対するストレスを感じさせない(特に王城3はすごい!)

ボス戦のギミックも面白いものが多く、特にうんこターバン黄衣の翁というボスは、他のプレイヤーがボスとしてあらわれるという仕掛けで、周回を推奨するゲーム性と非常にマッチしている。

 

ただこのゲーム、あまりにも難しい

後述する『Bloodborne』も難易度としてはなかなかのものだが、デモンズはちょっとベクトルが違う。

簡単に言うと、初心者が詰みやすいのである。

ダークソウル等は、基本的にチェックポイントで回復薬が補給されるのだが、デモンズは完全に消費アイテム扱いである。

まず初心者は回復が尽きて詰む

さらに死亡するとソウル体と呼ばれる状態になり最大体力が半分になる。詰む

また、ソウル傾向というものがあり、死ねば死ぬほどマップの難易度が上がっていく。当然詰む

 

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嵐1、最黒で出現するサツキの黒ファンはもはや人の所業ではない

 

バランスも非常に大味のため、ぶっ壊れといえる強武器、強戦法や、走り嵐のようなバグ技まで存在しオンラインはもはやカオスである。南無。

 

だがそれを含めても、原点にして頂点という意見も多い。

純粋な死に覚えゲーとしてのクオリティが高く、カルト的人気を誇る一作である。

 

 

ダークソウル

2011年にPS3で発売されたシリーズ第二作目。

シリーズ人気の火付け役であり、2018年にはPS4でリマスター版も発売された。

私もこの作品から入ったクチであり、思い入れも深い。

 

シームレスでつながる立体的なマップ、重厚で引き込まれる世界観、魅力的なNPC、どれもがRPGとしての没入間を引き立たせる。

正直デモンズの主人公は、「言われるがままにデーモン殺しまくるやべーやつ」みたいなイメージが強かったが、こちらの主人公は、託された使命を全うするために、古き神々の地であるロードランに降り立ち、戦っていくにつれ世界の真実に近づいていく、という比較的王道な主人公だ。

そのため、ストーリーへ自然と引き込まれて行き、ロールプレイもはかどる。

また、シリーズの中でも難易度は控えめに抑えられており、特に序盤はゲームが上手い人ならばサクサクと進めるかもしれない(勿論中盤以降は超高難易度の場所も存在するが)

 

割と敷居の低い今作だが、やはりメイドバイフロム、しっかりと混沌は残っている。

まず、中盤までチェックポイント間の転送がない

これのおかげで何度も同じマップを走り回ることになるので、マップのつくりを満喫するにはいいのだが、2や3から入った人にとってはたまったものではないだろう。

そのせいで、なんなら触れない方がいい篝火まで存在する。

長い探索の果てに疲弊しきったプレイヤーがやっと見つけたぬくもりが、まさか自分に牙をむくとは……。

やはりフロム、侮れない。

 

また、デモンズ同様バランスはめちゃくちゃである。

平和、飛沫のようなクソスペルがマルチを否定し、イザリス、苗床というクソマップ、クソボスが気力を削ぐ。

 

それと今作、バックスタブの判定がやたらと広い。めちゃくちゃ吸い込む。

普通に攻略する分にはプレイヤーに有利に働くため構わないのだが、問題はPvPである。

バクスタが強力すぎるせいで、侵入してきた闇霊も、ホストを守る白霊も、はたまたホストまでもが相手のケツを付け狙い、相手をロックオンしたまま横に動くステップ(通称ホモステップ)を踏みあう。

対人は否応なくバクスタを中心とした読みあいに終始し、ロリスタ、ゴリスタ、スレスタ、イカスタ、怯み抜けスタブ等々、数えるのも億劫なほどのスタブスキルがプレイヤーには必要とされた。

黒い森の庭という対人ステージでは、今でも日夜怪しい集団が怪しいステップを踏みあいケツを掘りあっている。

自分のケツさえ守れない人間は、ロードランでは生きてゆけないのだ……。

 

 

ダークソウル2

2014年にPS3で発売されたシリーズ三作目。

 

全面クリアしたことがないため詳しくは割愛するが、他のタイトルとのズレはあれど良質なRPGである。

 

 

ブラッドボーン

2015年にPS4で発売されたシリーズ四作目。

正確にはソウルシリーズではないという意見もあるが、UI等類似点が多いのでここではシリーズに含めることにする。

 

DARK SOULS』が中世の雰囲気を感じさせるハイ・ファンタジーの世界観をベースにしているのに対し、『Bloodborne』は近代をベースとしたゴシックホラーテイストに始まる。

しかし、ストーリーを進めていくにつれ、世界観はだんだんとクトゥルフ神話的なコズミックホラーの様相を呈してくる。

この恐怖の変化も、ブラッドボーンの醍醐味の一つだ。

また、シリーズ屈指の難易度の高さであり、それも恐怖を助長している。

その難易度を示す具体的なエピソードとしては、発売後、ストーリー上戦わなければならない最初のボスである「ガスコイン神父」撃破のトロフィー取得率がいつまでたっても50%程度から進まなかった。

しかしこれ以降のトロフィー取得率はそれほど低いわけではなく、つまりは「最初のボスを倒すころにはゲームに慣れてきていて、慣れれば意外といける」程度の難易度だということは補足しておきたい。

 

この難易度の高さは、デモンズのように回復がアイテム制であることや、過去作に比べてゲームスピードが上がったことに起因するのだが、後者についてはそれがこの作品の面白さに直結している。

DARK SOULS』では主人公は鎧を着こみ、盾を構えながら進むことになるため、見た目も操作感も鈍重さが否めなかった。

しかし今作はすべてがハイスピード!!

左手に持った銃で敵をいなし、右手の仕掛け武器で敵を切り刻む!!!!

Devil May Cry』さながらのスタイリッシュさで敵と対峙する今作は、今までにない爽快感を与えてくれる。

 

また、今作独自の要素として、聖杯ダンジョンというものがエンドコンテンツとして用意されている。

作成するたびに形や敵が変わるダンジョンを攻略しアイテムを手に入れるといった趣旨のもので、いわばフロム版風来のシレンである。

これがまた賛否両論で、暗い、単調、たまに無駄に広い、暗いなどと散々に言われ、早々にマルチからは人が消え、一人でマラソンを続けるプレイヤーは地底人などと揶揄された。

地下の墓地や遺跡を探索するという聖杯ダンジョンの設定上、確かに暗くて、単調であり、たまに無駄に広くて迷ってイライラするのは確かである。

だが私は声を大にして言いたいのだが、この聖杯ダンジョン、言うほど悪いもんじゃないよ?

まず、聖杯ダンジョンにしか出現しないボスがいる

この時点で一度はやる価値があるのがわかっていただけると思う。

それに、ボスと短いスパンで戦うことが出来る

今までのシリーズでは、ボスともう一度戦うには基本的には周回を回す必要があった(篝火の探究者等例外はあるが)。

しかしこの聖杯ダンジョンでは、周回を回すほどの労力を使わずとも気軽にボスと再戦できる。これには血に飢えた狩人もニッコリ!

まぁ、自由に聖杯ダンジョンを生成するためには、歴代最恐レベルの難関を超えなければならないのだが……。

 

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冒涜アメンドーズで、いったい何人の狩人が心折れただろうか……

 

ならマルチで協力すればいいじゃない、と考えたそこのあなた!

当然フロムソフトウェア、そう上手くはいかないのである。

このゲーム、マッチングシステムはお世辞にも優れているとはいえず、マッチングにも時間がかかる。

(そろそろお気づきの方もいると思うが、フロムはオンライン関係の調整がド下手なのである。)

当然マルチは過疎り、本編の人気ステージはまだしも、聖杯なんて辺鄙なところでマルチをやろうなどという奇特な人間はほとんどいないのである。

 

新しい要素がいろいろとあっただけに、本編のボリュームが他タイトルに比べて控えめなのも寂しいところ。

 ただコンパクトに収まっているだけに、ARPGとしてのクオリティはシリーズ随一。

私が最ものめりこんだタイトルでもあり、自信を持ってお勧めできる面白さだ。

 

 

ダークソウル3

2016年にPS4で発売された第五作目であり、シリーズの完結作として製作されたタイトルである。

 

世界観は『DARK SOULS』、『DARK SOULS 2』の続きのような形で展開され、今までファンを魅了してきたダークファンタジーが、PS4によって進化した美麗なグラフィックで再現される。

完結作だけあって、シリーズ経験者がニヤリとできるようなシーンも多くあり、これまでのシリーズの要素をふんだんに盛り込んだボリュームは質、量ともに満足のいくものである。

『Bloodborne』ほどでないにしろ動きは軽快、『Demon’s Souls』を思い出させるようなボスギミックもあり、総じて完成度は高い。

そしてなんと、オンライン周りも快適である。

そう、このゲーム、残念なことに、いや、まったく残念ではないのだが、非の打ち所がないのである。

学校成績オール5、成績優秀、文武両道、模範的な優等生、それがダークソウル3である。

まさにソウルシリーズの集大成。

 

しかし、プレイを続けるうちに、一抹の物足りなさを感じる。

デモンズのようなコントローラーを投げたくなる死が、ダクソのような王道にして邪道なストーリーが、ブラボのような理不尽なまでの緊張感が、ダークソウル3ではどうにも感じられないのである。

確かに、ソウルシリーズのファンディスクとしては100点満点であるといえよう。

しかし、腹をすかせたゲーマーたちが、「ヒャッハー!新鮮なフロムの新作だ―!」といって飛びついた作品がこれだったらどうだろうか。

ワイルドに食い散らかす予定だったものを、ナイフとフォークで上品に食すゲーマーたちの姿が目に浮かぶ。

ソウルシリーズというコース料理の、最後を飾るデザート的な作品。

あまりクセがなく、良くも悪くも綺麗にまとまっている。

ファンディスク的な要素は感じるが、その完成度故に、シリーズの中では最も万人に勧められる優れたタイトルであることは間違いないだろう。

 

 

SEKIROとソウルシリーズ

SEKIRO発表時には、愛好家たちの間でも、「本当にソウルシリーズとは無関係なのか?」といったような疑心暗鬼めいた考えが蔓延していただろう。

しかし、発売前までの情報を見るに、SEKIROはソウルシリーズとは全くの別物といえる(公式もそう言っている)

戦闘システムやUIが大きく異なるのはもちろんなのだが、最も大きな違いはRPGとしての在り方である。

ソウルシリーズが、キャラメイクから始まり、ステ振りも自分で考え、まさに自分の分身としての主人公が世界を冒険することでロールプレイングの没入間を生んでいたのに対し、SEKIROでプレイヤーが操作するのは、戦国の世に生きる一人の忍びである。

忍ぶもよし、戦うもよし、そういった選択がプレイヤーに委ねられることが、ロールプレイにつながっていくのだろう。

しかし、それでもSEKIRO発売前にリハビリがしたいというのであれば、一度自分の背中を見てみるといい。

 

 

そうさね。

 

ダークリングは呪われた不死の証。

 

だからこの国では不死は全て捕らえられ北に送られ、世界の終わりまで牢に入る。

 

おまえもそうなるんだよ

 

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